リアルタイムPCRの利用例

リアルタイムPCR会員の皆様へ

こんな症例に困っていませんか?

「位相差顕微鏡でらせん状菌はあまりいないのにPが悪い」

こんな時こそ「リアルタイムPCR法」です!

国際歯周内科学研究会では歯周内科治療でジスロマックを投薬するかどうか決定する際に、位相差顕微鏡検査による「らせん状菌」の検出を重要な指標としています。

しかし、「らせん状菌」が顕微鏡で見当たらないにもかかわらず、歯周病の各種症状がアクティブな症例に出くわすことがあります。ジスロマックを投薬するか否か、非常に迷う場面です。実はそのような症例では、らせん状菌以外の細菌が関与していると考えられます。

<顕微鏡による菌の判定の可否>

歯周病原性菌レッドコンプレックス3菌種
Treponema denticola(T.d) らせん状菌 可能
Prophyromonas gigivalis(P.g)  短桿菌 不可能
Tannerella forsythensis(T.f)  桿菌 不可能
その他
Actinobacilus actinomycetemcomitans(A.a) 短桿菌
(侵襲性歯周炎の主な原因と考えられている)
不可能
Fusobacterium nucleatum(F.n)  桿菌 不可能

このように、位相差顕微鏡で見ているのはあくまでも菌の形態であり、様々な種類の細菌を特定することは困難なのです。しかしリアルタイムPCR法で細菌のDNA検査を行えば、歯周病関連菌5菌種の存在を定量的に調べることができます。

顕微鏡診(−)臨床歯周病症状(+)の症例にリアルタイムPCR検査(5菌種)を行い

  • いずれかの細菌が検出されたら、ジスロマックを投与
  • いずれの細菌も検出されなければ、ジスロマックは投与せず、通常の初期治療を行う

という流れになります。

またメインテナンス時に顕微鏡診と臨床歯周病症状が食い違う場合にも有効です。
このようにリアルタイムPCR法を利用することで、先生方も患者さんも納得の上、安心して治療を行うことができます。この様な症例には、ぜひリアルタイムPCR法を行ってください。

国際歯周内科学研究会  顧問 生田図南