創設者挨拶

そもそも歯周内科治療は、院内感染防止対策を充実する過程で生まれたものです。1991年4月に生田図南が所属する熊本県天草郡歯科医師会でHIVに関する講演会が行われました。

講演を聞いた先生方はこぞって院内感染防止対策の構築を模索しましたが、あまりのコスト高に途中で挫折する先生が続出しました。その中で私は、さまざまなコスト削減、効率化などを行い、何とか保険診療の中で院内感染防止対策を継続することができました。

そして歯周病治療を行い、メインテナンスの患者さんを増やすことが経営の安定、自費の増加につながり、さらに院内感染防止対策の費用を捻出するのに有効であると考えました。治療方法としては従来のブラッシング指導の強化、改善しない部分は歯周外科を行うということを徹底していきましたが、なかなか思うような結果を生むことができませんでした。

メインテナンスの患者さんが1割〜2割程度という成果を上げることはできましたが、その患者さんにしても、半年後、1年後の定期検診のときに腫脹を再発しているかたも多く見受けられ、なかなか、うまくいかなかったのです。
何とか、歯周病が主訴で来院されるすべての患者さんに良好な結果を得る方法はないものかと模索していたところ現在の歯周病治療の問題点を強く意識するようになりました。

それは次のような問題点でした。

問題点1 口腔内の正常微生物叢の研究がない。
問題点2 口腔内微生物叢の改善なしで外科的な治療が行われている。
問題点3 耐性菌を作りやすい投薬を行っている。
問題点4 感染症であるのに、どこから感染するのか研究がない。
問題点5 客観的な検査方法が確立されていない画一的な治療方法である。
問題点6 感染症なのに院内感染防止対策に無頓着である。

さらに、患者さんが楽しく歯周病治療を受けるためにはどのような治療方法が必要かと考えた時に、次のような治療方法であれば多くの患者さんを救うことができるのではと思いました。

  • その理論や治療方法や治療結果が医学的に患者さんに非常に理解しやすい
  • 普通の歯科医師や歯科衛生士が特別に意識が高くない患者さんを治療しても同じような治療効果が得られる。
  • しかも痛みや苦痛を伴わず、短期間で安全に安価に確実に得られる。
  • その状態が再感染がなければ継続する治療。
  • 術者も患者さんも楽な楽しい治療

このような問題点を解決するために、薬剤を用いて、短期間で確実な効果を出すために歯周内科治療が生まれたのです。歯周内科治療は多くの先生方の御指導により、少しずつ、改善され、2002年に動画管理システムの開発、2004年に歯周内科マニュアルの開発を行い、より、マニュアル化された治療方法になっています。さらに今後も多くの先生方の英知により発展を続けるものと確信をしています。

また、位相差顕微鏡だけでの診断では科学的なエビデンスを確立することが困難であるという観点から、2012年2月にリアルタイムPCR検査による歯周病菌のDNA検査を行うことができる施設を生田歯科医院敷地内に設立しました。現在は株式会社Microexamとして一般社団法人国際歯周内科学研究会の会員の先生方から検体を受領して検査を行っています。歯周内科的な治療はリアルタイムPCR検査による歯周病菌のDNA検査により、さらに科学的な治療に発展しています。

 

一般社団法人 国際歯周内科学研究会 顧問  生田図南